胸椎伸展という言葉を、ジムのトレーナーさんから聞いたのは数週間前のことだ。
それからというもの、僕はスキマ時間ができるたびに背中を伸ばすようになった。
朝起きてちょっとしてから、1日の診察の準備の合間、シャワーを浴びたあと、ジムに行く前。
ほんの数十秒、正座をするように足元を整えて、後ろのヨガブロックに向かってゆっくりと倒れこんでいく。
胸を開き、背骨のひとつひとつを意識して伸ばす。
最初はぎこちなかったけれど、最近ようやく少しずつ「伸びてきた」感覚がある。
初動負荷のトレーニングでは、動きの流れを大切にしてきた。
でも、こうしてゆっくりと体を伸ばすのも悪くない。
体の奥にある見えない糸を、静かにほどいていくような時間だ。
来週は大井川マラソン(10km)。
最近、第1回大会を走ったというMRさんが「コースは舗装されていて走りやすかったですよ」と教えてくれた。
それを聞いて、少し安心した。風が強くても、舗装された道なら、足裏の感覚を信じていける気がする。
体づくりは、まだ途上だ。
けれど、年末の河口湖を前にしたこの10kmは、自分なりの前哨戦みたいなものだと思っている。
週に一度は10kmを走り、少しずつ感覚を積み重ねてきた。
4月に初めて大会を走ってから、体の柔軟性も、身体構造への理解も、飛躍的に伸びている。
背骨を伸ばすように、少しずつ。
焦らず、でも止まらず。