大会の前日、ひとりで電車に乗った。
相模原まで、ゆっくり揺られていく時間。
車内はほどよく静かで、外の景色も特に変わり映えしないまま、
考えごともせず、ただ流れていくものに身を預けていた。
目的地に着いて、まず髪を切った。
いつもより短くはせず、パーマを少しだけ残して、長めに整えてもらう。
軽くしすぎないようにと、美容師さんに伝える声も、どこか静かだった。
何かを変えたいわけではなく、
これまでをそのまま持っていきたいような気分だったのかもしれない。
鏡越しに自分の顔を見て、
“ああ、明日なんだな” と思った。
日が傾きかけていた。
相模原の空は少し青みが残っていて、
これから夜に向かうその時間が、なぜか心地よかった。
【本日のランニング】6.2km
【前回大会からの総練習距離】6.2km
2025年4月30日水曜日
2025年4月26日土曜日
走りはじめた
走りはじめたのは、たった一ヶ月前のことだ。
そんなこと、誰に言うでもなく、僕はこっそりと始めた。理由? 特にない。ただ、なんとなく。なんとなく、って案外すごい力を持ってる。
もともと僕はサッカーをやっていた。小さいころからずっとボールを追いかけてきた。だけど、走るのが得意だったかというと、そうでもない。
短い距離ならそこそこ速かった。けど、長距離走になると、全然ダメだった。練習で持久走をすると、キーパーよりは速いけど、フィールドプレーヤーではビリ争い。まあ、そういうポジションだったわけだ。
別にそれが悔しかったわけじゃないし、頑張って改善しようとも思わなかった。ああ、僕はこういう人間なんだな、って、どこかで納得してた。
そんな僕が、今、走っている。
明日は、東日本国際マラソン大会に出る。10キロ。たった一ヶ月前には、こんな展開、自分でも想像してなかった。
走るのが楽しいかって? うーん、正直よくわからない。
でも、走ったあとに感じる、ちょっとした身体の疲れとか、やけに澄んだ空気とか、汗が乾くときのあの感じとか、そういうものが、妙に心地いい。
サッカーの練習でヘトヘトになったあの頃を、少しだけ思い出す。別に走ったからって、人生が劇的に変わったわけじゃない。
だけど、走ったぶんだけ、ほんのちょっとだけど昨日とは違う自分になれてる。そんな気がする。
だから、明日も走る。
理由なんて、後からゆっくり考えればいい。
登録:
投稿 (Atom)
坂を登るたびに時間がずれる
東京駅から秋葉原まで、リュックを背負ったまま走った。 そこからさらに四谷のホテルまで走ることにした。距離にして八キロほどだ。目的地は決まっていたけれど、急いでいたわけではない。ただ足を前に出し続けていれば、いつかは着く。走るという行為は、だいたいいつもそういうものだ。 途中、市谷...
-
天気予報は雨だった。 僕は大井川の河川敷のスタート地点に立っていた。 曇り空の向こうに、なぜか陽が差していた。 風はやや強く、湿気を含んでいる。思っていたよりも重い空気だ。 スタートの合図とともに、人の波がゆっくりと動き出す。 10キロという距離は、今の僕にとって長くも短くもな...
-
先輩との飲みが終わって、品川のホテルに戻ったのは0時半だった。 着替えを済ませ、外に出る。雨は降っていない。 今回の東京でのミッションのひとつは、皇居ランだ。 1周は5キロほど。品川からの往復を入れると15、6キロになるだろう。 ハーフマラソンに向けて、少しずつ距離を伸ばしていく...
-
富士山チャリティマラソン11㎞を、7年ぶりに再会する親友との待ち合わせ場所にした。 それは、ごく自然な流れだったように思う。 天気は予報通りの雨だった。 河口湖の空はなにも間違えてはくれなかった。 二人とも河口湖周辺の駐車場を取り忘れていた僕らは、家族に応援してもらうのをあきらめ...