走るよりもジムに通う日が多くなった。
それは、筋肉を盛るためではない。初動負荷のマシンに身体をゆだね、関節や筋肉の動きをひとつずつ整えるためだ。
けれど、そのぶん「走る時間がない」という感覚は消えない。
だから僕は、ビモロのシューズを手に入れた。
ビモロは、初動負荷理論を体現するために設計された靴だ。
つま先からかかとにかけて自然なローリングが生まれ、着地や蹴り出しがスムーズにつながっていく。足を入れるだけで、動きそのものを修正してくれるような感覚がある。
大阪万博の日、その靴で一万四千歩ほど歩いた。
一歩ごとに、知らぬあいだにフォームが矯正されていったのだろうか。
万博の熱気と人波のなかで、自分の歩きが少しでも変わったことを祈る。