Apple Watchに入れている音楽を、久しぶりに入れ替えた。
BPMを揃えることもせず、気分だけで選んだ。懐かしい曲や、最近のヘビーローテーションも混ざっている。そんな雑多なプレイリストを連れて、夜の街に出た。音楽を変えると、走る道も変わる。
それはつまり、足が向かう方向がわずかにずれるということで、それだけで、今まで通ったことのない道に出会うことになる。
明日はクリニックが休みなので、少し長めに走った。
仕事が休みだから長く走る、というのもどうかと思うが、休日の前夜に少し無理をするというのは、何かに対する儀式のようでもある。
自分への励ましか、赦しか、それともただの習慣か。
登り坂で「Wow War Tonight」が流れてきた。曲の最中、自分の中のいろんな記憶がぬるりと浮かび上がってきて、そのまま静かに沈んでいった。その一節──「家に帰ったら ひたすら眠るだけだから」が、やけにしっくりきた。
どうしようもなく疲れているときに聴くと、この歌は、言い訳のようで、祈りのようでもある。
帰宅後、体操帰りの三人の子どもたちと、風呂の湯に一緒に浸かる。湯気が、明日が休みであることを、静かに祝っているように感じられた。風呂の中で、僕はまた口ずさんでいた。
「家に帰ったら ひたすら眠るだけだから」
長女だけがとても喜んで笑ってくれたが、長男と次女は疲れすぎていて、すぐに風呂から上がっていった。それぞれのペースで湯を出て、布団に入り、数分もたたずに眠った。
「寝かしつけ」ではなく、ただ「眠った」という感じだった。静かに、確実に。
僕はというと、せっかくの金曜日なのに、
「家に帰ったら ひたすら眠るだけだから」の余韻に浸って、眠れないでいる。
【昨日のランニング】10.1km
【前回大会からの総練習距離】52.81km