2025年5月26日月曜日

東日本国際マラソン10km回顧録04

スタート地点には人が多すぎて、ひとりきりの静けさなんてどこにもなかった。見込まれるタイムごとに列は整理され、僕は「1時間以上かかる」と見込まれる集団の中に紛れた。初めての大会で、自信もなかったし、確証もなかった。ただ、ここに立っているということが、もう十分に冒険だった。

風が抜ける。少し肌寒い。でも緊張のせいか、むしろちょうどいいくらいだった。片耳につけたイヤホンに、練習で聴きなれた音楽を流しはじめた。スタートラインの遠くから、フラダンスの音とMCの声がかすかに聞こえる。けれど僕の耳には、もっと個人的な音楽が流れていた。百人以上集まった中で、自分のリズムを取り戻すための、ささやかな儀式だった。

ゆるやかに、列が動き出した。号砲が鳴ってからスタートラインを越えるまで、およそ1分以上かかっていたように感じた。こんなにも差があるなんて、走る前は知らなかった。

コースは基地内の周回路で、5kmを2周する形。高低差はほとんどない。滑走路のような直線、すこし湾曲した通路、仮設トイレの列、鉄柵越しの応援、すべてが非日常で、すべてが整っていた。

周囲のランナーたちは、1か月前に走り始めた僕よりも、明らかに走り慣れているように見えた。呼吸も、フォームも、走ることへの迷いがない。僕はというと、図書館で借りた骨格ランニングの基本だけを思い出し、それが100%正しいと思いこんだフォームを整えたが、呼吸はととのわず、ただただ「いま走っている」ことを確認するだけで精一杯だった。

でも、それでもよかった。スタートできた。それがすべての始まりだった。

 【今日のランニング】6.67km

【前回大会からの総練習距離】59.48km

坂を登るたびに時間がずれる

東京駅から秋葉原まで、リュックを背負ったまま走った。 そこからさらに四谷のホテルまで走ることにした。距離にして八キロほどだ。目的地は決まっていたけれど、急いでいたわけではない。ただ足を前に出し続けていれば、いつかは着く。走るという行為は、だいたいいつもそういうものだ。 途中、市谷...