2025年5月12日月曜日

東日本国際マラソン10km回顧録02

 髪を切ったのは、午後の終わりが少し傾きかけた頃だった。店を出る頃には、街の空気はゆるやかに冷えていて、襟元に風が入りこんできた。そのままホテルに戻る前に、駅前のスーパーに寄った。豆腐と納豆とめかぶとバナナを手に取る。栄養素を冷静に見積もった選択だった。いつもならもっと適当に済ませてしまう夕食だけれど、明日ははじめてのマラソンを走るのだ。胃にも、身体にも、言い訳はさせたくなかった。

 ホテルの部屋に戻って、パックの納豆をそのまま食べ、豆腐にめかぶを入れてスプーンですくって食べた。静かな夜だった。テレビもつけず、スマホも見ず、ただ自分の呼吸と胃袋の声だけを頼りに、ゆっくりと食事を終えた。

 食後にストレッチを始めた。静かに、でも重点的に。ハムストリングス、ふくらはぎ、腰回り。無理をせず、でも入念に。からだの中に残っていた街のざわめきや一日の疲れが、徐々に消えていくのがわかった。21時には布団に入った。眠気はあったけれど、あまりに早く寝てしまうと夜中に目が覚めてしまうかもしれない。その予感が、どこかしら現実味を持っていたから、目をこすりながら、もう一度だけ肩をまわしたり、足首を伸ばしたりして時間を稼いだ。

 結局、7時間半眠れた。目覚めたとき、窓の外はまだあまり明るくなかったけれど、空気は澄んでいて、寒すぎもせず、暑くもなかった。走るには、悪くない朝だった。


【おとといのランニング】9.10km

【前回大会からの総練習距離】29.92km

坂を登るたびに時間がずれる

東京駅から秋葉原まで、リュックを背負ったまま走った。 そこからさらに四谷のホテルまで走ることにした。距離にして八キロほどだ。目的地は決まっていたけれど、急いでいたわけではない。ただ足を前に出し続けていれば、いつかは着く。走るという行為は、だいたいいつもそういうものだ。 途中、市谷...