体重が69.5kgになった。ちょうど1ヶ月で0.5kgの減量。
この0.5という数字には、夜の炭水化物を我慢した日や、ふくらはぎの張りを感じながらの初動負荷トレーニングの積み重ねが詰まっている。
最近は、ただ黙々と身体と向き合う時間が増えた。初動負荷という言葉の中には、最初の一歩のような響きがある。大げさだけど、筋肉のトレーニングをしているのではなく、人生の準備体操をしているような気分になるときがある。
そして今日、クリニックにシャワー室が設置された。冷水"しか"出ないちゃんとしたやつだ。業者の人が最後に蛇口をひねって水を流したとき、僕は黙ってそれを眺めていた。そこには、希望の水滴が眩しく光った。たぶん、人生で「シャワー室を設置した日」が何日もある人なんて、そう多くないだろう。
遠藤保仁が試合のハーフタイムにシャワーを浴びるっていうのは有名な話。ヤットさんが、無言でシャワーを浴びて、濡れた髪のまま後半に向かうユニフォーム姿は、スタジアムにでた瞬間にゲームを支配するんだ。僕はずっとそれがやりたかった。
明日の昼休み。僕は誰にも言わず、シャワー室に向かう。水が首筋に当たった瞬間、身体の中の酸素が冷えて息が苦しくなるかもしれないし、何かがリセットされるかもしれない。その瞬間を想像するだけで、今日は眠れない。
午後の外来も、初動負荷トレーニングも、体重の0.5kgも、すべてがこの「明日のハーフタイムの冷水シャワー」の伏線だったんじゃないかと思えてくる。
そんな真夏の夜。