梅雨だと、どうしても外を走るハードルが上がる。天気予報とにらめっこして、降らない時間を見つけては「ここだ」と決め打ちする。
金曜日も、そんな賭けだった。
「8時から雨がやみます」
雨雲レーダーがそう言っていたから、信じた。いや、信じたふりをして、走りたかっただけかもしれない。
シューズの紐を結び、外へでて空を見上げると、まだ雨が降っていた。
ずっと小雨だった。
止みそうで止まない、なんとも煮え切らない雨。まるで誰かの返事を待っているときのような、落ち着かない気持ちになる。
意外と嫌じゃなかった。
雨粒が頬に当たるたび、眠っていた感覚が目を覚ます。
湿った空気が肺に入り、からだの奥が静かに動き出す。
ぬれたアスファルトの上、ペースは上がらないけど、気持ちは落ちてこなかった。
「走れないかもしれない」と思っていた日が、こうしてちゃんと“走った日”になる。
事故なく帰ってこれた、それだけで十分だと思えた金曜の夜だった。
【金曜日のランニング】7.31km
【前回大会からの総練習距離】83.28km
★6月の総ランニング 19.10㎞
★5月の総ランニング 58.2㎞